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JavaScript

JavaScriptのselfとは?thisとの違いや性質について

投稿日:2021年6月1日 更新日:

<目次>

(1) JavaScriptのselfとは?thisとの違いや性質について
 (1-1) JavaScriptのselfとは?
 (1-2) selfとthisとの違い
 (1-3) 補足

(1) JavaScriptのselfとは?thisとの違いや性質について

(1-1) JavaScriptのselfとは?

「window.self」はwindow自身(現在のウィンドウ)を表すプロパティで、現在のウィンドウオブジェクトにアクセスするために使用します。

記述方法はいくつかあり、「window.self」と書いてもOKですし、省略して「self」と書くだけでもOKです(JavaScriptではwindowオブジェクトのプロパティにアクセスする際にwindowを省略して表記できる)。
 
window自身を表すという性質から、原則は以下の条件式が成り立ちます(※例外については次節「selfとthisの違い」を参照)
 
(表)
結果
window.self === window true
window.self === this true
this === window true

(挙動確認サンプルPG①)

●JavaScript
function SelfTest(){

    //# selfの挙動確認①
    //# (global scopeにおいてselfとthisが同じになる事の確認)
    $('#result1_1').text(window.self === window); //想定=true 
    $('#result1_2').text(window.self === this); //想定=true
    $('#result1_3').text(this === window); //想定=true

    //# 上記式が成り立つのでプロパティにアクセスしても同じ値になる
    $('#result1_4').text("Height:"+window.innerHeight+" Width:"+window.innerWidth);
    $('#result1_5').text("Height:"+self.innerHeight+" Width:"+self.innerWidth);
}
(図111)

●JSP
上記のJavaScriptの結果をHTMLのdivタグ内に表示するためのJSPです。

<%@ page language="java" contentType="text/html; charset=UTF-8" pageEncoding="UTF-8"%>
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/loose.dtd">
<html>
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=UTF-8">
<script src="https://code.jquery.com/jquery-1.10.2.js" type="text/javascript"></script>
<script src="js/IT0xxx_JsSelfTest.js" type="text/javascript" charset="UTF-8"></script>
<title>JavaScript Self Test</title>
</head>
<body>
<h2>■selfの挙動確認①</h2>
(1) window.self === window<div id="result1_1"></div><br />
(2) window.self === this<div id="result1_2"></div><br />
(3) this === window<div id="result1_3"></div><br />
(4) width/height(window) :<div id="result1_4"></div><br />
(5) width/height(self) :<div id="result1_5"></div><br />
<input type="button" value="selfテスト実行" onclick="SelfTest()">
</body>
</html>
(図112)
 
●実行結果
(1)(2)(3)がtrueになっている事と、(4)と(5)で同じ値になっている事が確認できました。
(図113)

(確認動画)

(1-2) selfとthisとの違い

selfはwindow自身を表しており、thisもグローバルスコープ(global scope=function配下に属さない場合)で使用される分にはデフォルトでwindowを指しますが、contextが異なる場合thisはそのcontextを指すようになりますが、一方でselfは変わらずwindowを指します。それを表にまとめると次のようになります。
 
(表)
キーワード コンテキスト
(context)
表すもの
self グローバルスコープ window
self グローバルスコープ以外 window
this グローバルスコープ window
this グローバルスコープ以外 そのコンテキスト
(挙動確認サンプルPG②)
 
●JavaScript
 
1つ目のhoge()メソッドはグローバルスコープなのでthisとselfは同じになり、2つ目のhoge.call({})は空のオブジェクトを与えて、global scopeとは異なるコンテキストでthisを使っているため、thisとselfは不一致になる事を確認しています。

function SelfTest2(){

    //# selfの挙動確認②
    //# contextによる差異の確認
    function hoge(){
        console.log(
            window.self === window,
            window.self === this,
            this === window
        );
    }

    //# パターン①:通常の呼び出し
    //# 想定結果 = true,true,true
    hoge();

    //# パターン②:callの引数で空のオブジェクト({})を指定
    //# 想定結果 = true,false,false
    hoge.call({});
}
(図121)

 

●JSP
このJSPの実行ボタンから上記のJavaScriptを実行しています。

<%@ page language="java" contentType="text/html; charset=UTF-8" pageEncoding="UTF-8"%>
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/loose.dtd">
<html>
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=UTF-8">
<script src="https://code.jquery.com/jquery-1.10.2.js" type="text/javascript"></script>
<script src="js/IT0xxx_JsSelfTest.js" type="text/javascript" charset="UTF-8"></script>
<title>JavaScript Self Test</title>
</head>
<body>
<h2>■selfの挙動確認②</h2>
(1) Object内でのselfの値<div id="result2_1"></div><br />
<input type="button" value="selfテスト実行" onclick="SelfTest2()">
</body>
</html>

 

(図122)

●確認結果

(図113)

(確認動画)

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(1-3) 補足

(※注1)contextとは?
「context」はthisが指す値であり、JavaScriptにおけるcontext(コンテキスト)はfunctionが属するオブジェクトを指します。

(※注2)thisとは?
thisはfunctionが所属するオブジェクトを表します。例えば、JavaScriptでthis. fruitNameと書いてある場合、それは this. fruitNameを使用しているfunctionが属するオブジェクト内にあるfruitsプロパティを指しています。

var fruits = {
  fruitName: "Apple",
  fruitPrice : 200,
  fruitOrigin: “Aomori”,
  sellPrice : function() {
    return this. fruitPrice * 1.3;
  }
};

詳しくはJavaScriptのオブジェクトについてご紹介している下記の記事をご覧下さい。
(参考)JavaScriptのオブジェクト(object)の書き方やメソッドを追加する方法

(※注3)functionはオブジェクトである
通常JavaScriptにおいてfunctionは全てオブジェクトに属するメソッドです。例外のケース(オブジェクトのメソッドでない場合)はグローバルオブジェクト(global object)のfunctionになります。

(※注4)callメソッド
callメソッドはJavaScriptにて事前定義されているメソッドで、メソッドを呼ぶ際にオブジェクトを引数(パラメータ)に与えて実行する事が出来る機能です。
https://www.w3schools.com/js/js_function_call.asp

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