<目次>
(1) システム開発における設計品質の分析の進め方(一例)について
(1-1) まえがき
(1-2) 前提事項
(1-3) 進め方
(1-4) 参考:分析の手法について
(1) システム開発における設計品質の分析の進め方(一例)について
(1-1) 構文
品質の分析は非常に重要ですが、経験がないといざ自分が担当するとなった時に「何からやって良いのか分からない」となってしまいますよね。今回はそういった進め方で悩んでいる方に向けて参考になればと思い、進め方の一例をご紹介します。
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(1-2) サンプルプログラム
今回はシステム開発における「設計書」の品質評価をする場面を例にご紹介します。
(前提)
・設計書の執筆&レビューが完了した
・レビュー記録表が揃っている
(1-3) 進め方
・①集計して一覧を作成
各ブックに分散しているレビュー記録表を1つの表に集約します。集約はVBA等により実施します。
(参考)VBAで複数のブックの内容を集計する方法
(図111①)
・②グルーピング
集計した一覧について、1件ずつ確認を行った上で分類(グルーピングのためのラベル)を付けていきます。
(例)一番右の列に指摘を表現する単語を埋めていきます
(図112)
(ポイント)
・もし担当者が入力した原因区分などが残っている場合は、それとは別に区分の選択肢に捕らわれないグルーピングをします(担当者の主観で誤っている部分は、後でまとめて修正する)。
・この作業はなるべく正確に行う事で、後の分析のしやすさにも影響するため、なるべく3~4人の目で確認できるとベストです。時間は掛かりますが、この作業は妥協せずにやった方が後が楽になります。
・ヒアリングすべき事項(指摘内容が不明瞭、指摘の根本原因を聞きたい等)がある場合は、その印(▲要ヒアリング)も付けていくと良いです。
・③ラベルの修正
複数人の目で見た結果、区分の修正等が必要と判断されたものは修正して、一覧のデータとしての正確性を上げていきます(担当者の主観で誤っている部分を排除していく)。
・④再集計
綺麗にした分類で、区分毎の集計などを行います。
(図113)
・⑤グループ毎に分析
このラベルの正確性を上げた状態で、グルーピングした単位で指摘内容を眺めていくと、ある程度似通った傾向などが見つかる可能性が高くなっているはずです。
カテゴリ毎に「根本原因は何か?」、「横展開(同事象が他でも起きる場合の対策)をどうするか?」、「再発防止策はどうするか?」といった事を検討して書いていきます。
なぜなぜ分析をしながら、必要に応じて担当者に当時の「状況」や「心情」などもヒアリングした上で、正しい対策を設定できるように情報を収集します。
(1-4) 参考:分析の手法について
ちなみに、このような分析は「定性分析」と呼ばれる手法になります。
それ以外にも、数値的なデータから分析・考察をする「定量分析」という手法もあります。