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機械学習 (Machine Learning)

ロジスティック回帰をエクセルで計算する方法(ディープラーニング)

投稿日:2022年9月22日 更新日:

<目次>

(1) ロジスティック回帰をエクセルで計算する方法(ディープラーニング)

(1-1) 【前提①】ロジスティック回帰とは?

・ニューラルネットワークのモデルの種類の1つで、活性化関数として「シグモイド関数」を採用しているのが特徴です。
 
(図100)イメージ図
・シグモイド関数は0から1までの確率を表現できる関数なので、例えば「迷惑メールの振り分け処理」など微妙なラインでNG判定が出たものについては、受信トレイに一旦は通す、といったグレーゾーンのデータにも柔軟な対処が可能になります。
 
(式)シグモイド関数
$$ \sigma(x) = \frac{1}{1+e^{-x}}$$
 

(1-2) 【前提②】解決したい課題

ロジスティック回帰は、バイナリ分類問題(つまり、2つのクラスにデータを分類する問題)を解くための統計的手法です。ロジスティック回帰では、入力された特徴の組み合わせから0から1の間の確率を出力します。この出力される確率を使って、閾値(例えば0.5)を基にしてデータを2つのクラスに分類します。

ロジスティック回帰の学習の際には、「ロジスティック損失関数」や「交差エントロピー損失関数」と呼ばれる特定の損失関数を最小化することを目指します。この損失関数を最小化するために、勾配降下法が使われます。

勾配降下法を使用して、ロジスティック損失関数の勾配(傾き)を計算し、この勾配情報を基にモデルのパラメータ(ロジスティック回帰の重みやバイアス)を更新します。この更新を繰り返すことで、最終的には損失関数が最小となるモデルのパラメータを見つけることができます。

(1-3) ロジスティック回帰の流れを整理

(1-3-1) ●STEP1:分布の種類を仮定(シグモイド関数)【Excel】

今回はロジスティクス回帰なので活性化関数に「シグモイド関数」を使用
 
\( \sigma(x) = \frac{1}{1+e^{-x}} \)

(1-3-2) ●STEP2:尤度関数を設定

・①確率密度関数

・ある入力電気信号「\(\boldsymbol{x}\)」に対して、ニューロンが発火する確率(確率変数C=1とする)
\( Pr(C=1|\boldsymbol{x})=\sigma(\boldsymbol{w}^\mathsf{T} \cdot \boldsymbol{x}+b) \)
 
・ある入力電気信号「\(\boldsymbol{x}\)」に対して、ニューロンが発火しない確率(確率変数C=0とする)
\( Pr(C=0|\boldsymbol{x})=1-Pr(C=1|\boldsymbol{x}) \)
 

・②確率密度関数の一般式

\(y_n = \sigma(\boldsymbol{w}^\mathsf{T} \cdot \boldsymbol{x_n}+b)\)と置くと、\(t\in{0,1}\)において一般式は次のように表せます。
 
\( Pr(C=t|\boldsymbol{x})=y^t (1-y)^{1-t} \)
 

・③確率密度関数の一般式(別の表現)

これは表現を変えると、ある重み「\(\boldsymbol{w}^\mathsf{T}\)」とあるバイアス「\(b\)」の元で、入力電気信号が「\(x\)」になる確率とも表せます。
 
\( Pr(\boldsymbol{x}|\boldsymbol{w}^\mathsf{T},b)={y}^{t} (1-y)^{1-t} \)
 

・④確率密度関数の一般式(入力N個の場合)

また、\(N\)個の入力データ\(x_n (n=1,2,…)\)と、それに対応する正解データ\(t_n\)が与えられた場合、確率は総乗として表現できる。
 
\( Pr(\boldsymbol{x_n}| \boldsymbol{w}^\mathsf{T},b) = \displaystyle \prod_{n=1}^N {y_n}^{t_n} (1-y_n)^{1-t_n} \)
 

・⑤尤度関数

 
\( L(\boldsymbol{w},b| \boldsymbol{x_n})= \displaystyle \prod_{n=1}^N {y_n}^{t_n} (1-y_n)^{1-t_n} \)

(1-3-3) ●STEP3:片方パラメータ(重みw)を固定して「バイアスb」を推定

(1-3-4) ●STEP4:片方パラメータ(重みw)を固定して「バイアスb」を推定

・①誤差関数(尤度関数の対数)【Excel】

 
\( E(\boldsymbol{w},b|\boldsymbol{x_n}) \)
\( \quad= -\frac{1}{N} \log L(\boldsymbol{w},b|\boldsymbol{x_n}) \)
\( \quad= -\frac{1}{N} \sum^{N}_{n=1} \lbrace {t_n}\log{y_n} +  (1-t_n) \log (1-y_n) \rbrace \)
 

・②勾配降下法

 
\( \boldsymbol{w}^{(k+1)} \)
\( \quad=\boldsymbol{w}^{k}-\eta \frac{\partial E(\boldsymbol{w},b)}{\partial \boldsymbol{w}} \)
\( \quad=\boldsymbol{w}^{k}-\eta \lbrace – \frac{1}{N} \sum^{N}_{n=1} (t_n-y_n)  \boldsymbol{x_n} \rbrace \)
\( \quad=\boldsymbol{w}^{k}+\eta \frac{1}{N} \sum^{N}_{n=1} (t_n-y_n)  \boldsymbol{x_n} \)
 
\( b^{(k+1)} \)
\( \quad=b^{k}-\eta \frac{\partial E(\boldsymbol{w},b)}{\partial b} \)
\( \quad=b^{k}-\eta \lbrace – \frac{1}{N} \sum^{N}_{n=1} (t_n-y_n)  \rbrace \)
\( \quad=b^{k}+\eta \frac{1}{N} \sum^{N}_{n=1} (t_n-y_n) \)
 

・③確率的勾配降下法【Excel】

 
\( \boldsymbol{w}^{(k+1)} \)
\( \quad=\boldsymbol{w}^{k}+\eta (t_n-y_n)  \boldsymbol{x_n} \)
 
\( b^{(k+1)} \)
\( \quad=b^{k} +\eta (t_n-y_n) \)
 

※「確率的勾配降下法」の詳細は別途「確率的勾配降下法(SGD)をロジスティック回帰に適用しPythonで実装した例をご紹介(★)」でご紹介していますので、ご興味あればご覧下さい。

(1-3-5) ●STEP5:尤度関数の最大値(=傾き0=偏微分が0)を求める【Excel】

→繰り返しにより求める
 
(参考)
尤度関数や最尤推定の考え方や内容を知りたい方は、下記記事も併せてご覧ください。
⇒参考①:最尤推定とは?考え方を実世界の例も交えシンプルにご紹介(★)
⇒参考②:確率と尤度の違いとは?概念や数式なども交えて比較紹介(★)
⇒参考③:最尤推定の計算を正規分布で行った例をご紹介(★)

目次にもどる

(1-4) ロジスティック回帰をExcelで計算

(1-4-1) ●STEP1:分布の種類を仮定(シグモイド関数)

・①活性化関数(シグモイド関数)【Excel】

[yn]=1/(1+EXP(-([xn1]*[w1]+[xn2]*[w2]+[b])))

(1-4-2) ●STEP3:片方パラメータ(重みw)を固定して「バイアスb」を推定

(1-4-3) ●STEP4:もう片方のパラメータ(バイアスb)を固定して「重みw」を推定

・①誤差関数(尤度関数の対数)【Excel】

[E]=(([t])*LN([y])+(1-[t])*LN(1-[y]))

・③確率的勾配降下法【Excel】

・重みw

[w1(k)] = [w1(k-1)] + [eta]*([tn]-[yn])*[xn1]
[w2(k)] = [w2(k-1)] + [eta]*([tn]-[yn])*[xn2]
・
・
→入力ニューロンの数分だけ計算
 

・バイアスb

[b(k)] = [b(k-1)] + [eta]*([tn]-[yn])
 
●ダウンロード用
(図121)
 
(注意点)
本来は繰り返し回数k毎にN個(例:4個)のデータからランダムに1個を選択する必要がありますが、今回は簡易的に1~Nの順番で取得しています(ランダムにはなっていない)。
 

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