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PL/SQL

【PL/SQL】”UTL_FILE”パッケージを利用して”.TXT”を読み込む方法

投稿日:2017年9月17日 更新日:

今回はPL/SQLのUTL_FILEパッケージを利用して、サーバ内にあるテキストファイルを読み込むプロシージャを作成したいと思います。

(0) 目次

(1) 事前準備:ディレクトリオブジェクトの作成(CREATE DIRECTORY)
(2) 事前準備:ユーザにディレクトリオブジェクトのREAD/WRITE権限を付与する
(3) 事前準備:ユーザに”UTL_FILE”パッケージのEXECUTE権限を付与する
(4) コーディング
(5) コンパイル・実行
(6) 結果確認
(7) 語句の解説

(1) 事前準備:ディレクトリオブジェクトの作成(CREATE DIRECTORY)

TXTファイルを配備するディレクトリ情報を持つ”ディレクトリオブジェクト”を作成します。ディレクトリオブジェクトはPCの物理的なディレクトリを指定する事が無いよう、Oracleで別名を付けて管理するオブジェクトです。パッケージ等と同様に各種権限をGRANTして利用します。

/* CREATE DIRECTORY [オブジェクト名] AS 'ディレクトリPATH' */
CREATE DIRECTORY RBWEG_0001 AS '/tmp/plsqltest-20170916';


結果確認

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(2) 事前準備:ユーザにディレクトリオブジェクトのREAD/WRITE権限を付与する

上記(1)で付与した権限をスキーマユーザに付与します。コマンドは以下を利用します。

/* GRANT [付与したい権限名] ON DIRECTORY [オブジェクト名] TO [ユーザ名] */
GRANT READ ON DIRECTORY RBWEG_0001 TO RBWEGUSR ;
GRANT WRITE ON DIRECTORY RBWEG_0001 TO RBWEGUSR ;


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(3) 事前準備:ユーザに”UTL_FILE”パッケージのEXECUTE権限を付与する

次にファイル読み込みの肝となる”UTL_FILE”パッケージの実行(EXECUTE)権限を付与します。

/* GRANT [付与したい権限名] ON [オブジェクト名] TO [ユーザ名] */
GRANT EXECUTE ON UTL_FILE TO RBWEGUSR;


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(4) コーディング

以下はコードのサンプルです。
利用する場合はディレクトリ”/tmp/plsqltest-20170916“に”test.txt”を事前に配備しておく必要があります。

CREATE OR REPLACE
PROCEDURE TEST_FILEREAD
IS
  read utl_file.file_type;
  buf varchar2(1022);
  vDirname VARCHAR2(250);
BEGIN
  --/* Open file in 'Read Mode' */
  vDirname := 'RBWEG_0001';
  read := utl_file.fopen(vDirname,'test.txt','r');
  loop
    begin
      --/* read the file */
      utl_file.get_line(read,buf);
      dbms_output.put_line('data: '||buf);
    exception
      --/* end the loop when we come to the end of file */
      when no_data_found then
      exit;
    end;
  end loop;    
  --/* file close */
  utl_file.fclose(read);    
EXCEPTION
  WHEN OTHERS THEN
    dbms_output.put_line('ER-0000 : Other Exception');
END TEST_FILEREAD;

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(5) コンパイル・実行

テストに用いた”test.txt”の内容は以下。

コンパイル・実行
「1」のボタンが実行、「2」がコンパイルです。

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(6) 結果確認

サンプルコードの実行結果は以下のようになります。
“test.txt”の内容が表示されています。

Connecting to the database RBWEGUSR.
data: 123
data: 456
data: 789
data: ABC
data: DEF
data: GHI
data: JKL
data: MNO
data: PQR
data: STU
data: VWX
data: YZ0
Process exited.
Disconnecting from the database RBWEGUSR.

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(7) 語句の解説

●PL/SQLとは?
PL/SQLとはOracle独自のプログラミング言語で、通常のSQLではできない「手続き処理」を行う事ができます(例:ある処理の結果を後続の処理の入力条件にするなど)。そして他の言語と異なり、プログラム中でSQLを発行するのにAPIによるコールが不要のため、その分のオーバーヘッドも少なくなります。Oracleが開発した言語のため、Oracleで使用可能なすべてのデータ型をサポートしており、PL/SQLの中で使用可能である点や、Oracleが動作する環境であればOSが異なっても移植が可能な点、更には他言語からSQLを実行した場合と比較してプロセス間の通信のオーバーヘッドが少ないという利点もあります。

 

●PL/SQLのパフォーマンス
PL/SQL以外の言語からSQL文を発行すると(C言語,Java,VBなど)、DB接続ミドルウェアを経由してSQL文が文単位で送信されるため、クライアントとサーバーのプロセス間のオーバーヘッドが発生します。一方でPL/SQLの場合はブロック内の記述全体(プログラム単位)をまとめてOracleに送信するため、通信回数を減少させることでオーバーヘッドの減少を実現しています。

●DB接続ミドルウェア
SQLを利用するアプリとDBの仲介を行うミドルウェアを「DB接続ミドルウェア」と呼びます。使用するミドルウェアは言語によって異なり、例えばCOBOLの場合は「PRO*COBOL」を利用し、.NET系のVB.NETでは「ODP.NET」などを利用します。Oracleへの接続という観点でもミドルウェアの選択肢は複数あり、例えば「OLE DB.NET」や「ODBC.NET」など以下のミドルウェアがあります。以下は主な特徴をまとめた比較表です。

データアクセス・ブリッジIF名 Oracle側コンポ 対応する主な言語 対応OS 概要 通信のオーバーヘッド
– (※ネイティブ) ODP.NET .NET言語(VB.NET/VC#) Windowsのみ .NETフレームワーク上で動作するミドルウェア。Oracleに特化している。 Oracleデータベースへのネイティブ接続が可能(AP→ODP.NET→OracleDB)
OLE DB.NET Oracle OLE DB VB/VC++など Windowsのみ Oracle以外のRDBMSへも接続可能。Excel等のOffice系で使用される。 ODPと比較すると一階層余計に通過(データアクセス・ブリッジを経由)するため、オーバーヘッドが発生する。
ODBC.NET Oracle ODBC VB/C言語/C++など Windows/Linux SQL ServerやDB2など他社のDBとOracleの接続にて利用される。 ODPと比較すると一階層余計に通過(データアクセス・ブリッジを経由)するため、オーバーヘッドが発生する。

OLEはCommandオブジェクトを使ってSQLオブジェクトを直接発行しているため、処理の終了までOracleとの接続を保持する必要があります。それに対してODPは非接続型のデータアクセス方式を採用しており、DataAdapter経由でメモリ内のDataSetを利用するため、切断後もデータへのアクセスが可能です。

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