<目次>
(1) Azureの可用性ゾーンとは?概要や設定画面の例も交えてご紹介
(1-1) Azureの可用性ゾーンが無い場合に起きる問題
(1-2) Azureの可用性ゾーンとは?
(1-3) Azure画面での設定箇所(例)
(1-4) 補足①:「可用性ゾーン」が利用できるサービスについて
(1) Azureの可用性ゾーンとは?概要や設定画面の例も交えてご紹介
(1-1) Azureの可用性ゾーンが無い場合に起きる問題
Azureでシステムを構成する際、複数のAzure仮想マシン等を用意して可用性(障害発生時に継続稼働する能力)を高くしようと考えた場合、データセンターの障害(DC障害)を想定して、複数ある仮想マシンを「リージョン内の異なるデータセンター」に配置したいと思います。
(図111)
そしてAzureで仮想マシン等のリソースを作成する際は「
リージョン」の指定が出来るかと思いますが、これだけでは「リージョン内の『どのデータセンターの』『どのラックの』『どのサーバ』に仮想マシンが作られるか?」までは制御が出来ません。
(図112)
なので、運悪く複数個作った仮想マシンが「同じデータセンターの、同じサーバラック内の、同じブレードサーバ内」に作られてしまった場合は、サーバダウンにより業務継続できない可能性が高くなってしまいます(ラック単位で電源、冷却、ネットワークを共有しているため)。
今回ご紹介する「Azure可用性ゾーン」では、そうした課題を解決するための機能となっています。
(1-2) Azureの可用性ゾーンとは?
「可用性ゾーン」はアプリケーションやデータを「データセンターの障害」から守るための機能です。具体的には「データセンターを指定して」リソースを作成する事が可能になります。
これにより、複数の仮想マシンを同一
リージョン内の異なる立地にあるデータセンターに確実に分散させる事ができます。各ゾーン(≒各データセンター)は独立した立地、電源、冷却、ネットワークから構成されているので、データセンターの障害に対する有効な対策となります。
各データセンターには番号が振られ、例えば「東日本リージョン」の場合は「1」「2」「3」の3つのデータセンターがあり、その中からどこにするか?を選択する事ができます。
(図121)
(※注意点)
可用性グループは全てのリージョンで利用できる訳ではなく、2020年7月の時点では7拠点での利用が可能です。利用可能な拠点は日々増えているので、最新の状況はMSの公式サイト等でご確認頂けたらと思います。
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(1-3) Azure画面での設定箇所(例)
実際の設定箇所の例をご紹介します。この例は「仮想マシン」の作成画面ですが、「可用性オプション」という項目で「可用性ゾーン」を選択する事で、次の「可用性ゾーン」項目が選択できるようになります。この「可用性ゾーン」項目で「どのデータセンターにするか?」の番号を指定できます。
(図131)
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補足①:「可用性ゾーン」が利用できるサービスについて
ここまでの説明は主に「仮想マシン」を例に説明を進めてきましたが、可用性ゾーンを利用できるサービス群は大きく二つに分ける事ができます。
(表)
可用性ゾーン |
複数の可用性ゾーンに配置する事で、DC障害の対策を行う事ができます。
(例)
仮想マシン |
ゾーン冗長化 |
複数のDC(データンセンター)を跨いで、データのレプリケーションを行う事で、データの冗長化を行う事ができます。
(例)
SQL、ストレージなど |
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