<目次>
(1) DNATとSNATの違いやそれぞれの特徴について
(1-1) NATとは?
(1-2) SNATとは?
(1-3) DNATとは?
(1-4) 両者の違い(比較表)
(1) DNATとSNATの違いやそれぞれの特徴について
(1-1) NATとは?
NATはNetwork Address Translationの略で、1つの「パブリックIPアドレス」を、LAN内のサブネット(内の複数のプライベートIPアドレス)で共有する技術で、後述の「SNAT」と「DNAT」はこのNAT技術の一種です。以降ではそれぞれの特徴や両者の違いについて整理しています。
(1-2) SNATとは?
(1-3) DNATとは?
DNATは「Destination NAT」の略で、SNATとは逆に、外部(インターネット)⇒プライベートネットワーク(LAN)への通信を行うための「IPアドレス変換」の技術です。
(図121)
具体的には、外部⇒LAN内への通信(パケット)の「宛先IP」を「パブリックIPアドレス」(例:200.40.9.180)の情報を、LAN内の「プライベートIPアドレス」(例:10.0.0.2)に変換します。
典型的な用途としては、例えばLAN内にあるホストしているWebアプリケーション(何かのWebサイト)に外部(インターネット)から接続する際に使用します。
(1-3) 両者の違い(比較表)
(表)
●比較観点 | ●SNAT | ●DNAT |
概要 | ・「LAN内⇒外部」の「ソースIP(送り主)」を「プライベートIP」⇒「パブリックIP」に変換します。 ・場合により、TCP/UDPヘッダーの「ポート」の情報も変更します。 |
・「外部⇒LAN内」の「宛先IP」を「グローバルIP」⇒「プライベートIP」に変換します。 ・場合により、TCP/UDPヘッダーの「ポート」の情報も変更します。 |
用途例 | Firewallの内側のLAN内の端末が外部(インターネット)にアクセスする場合 | 外部から、Firewall内のLAN内にアクセスする場合(LAN内でホストしているWebサイトにアクセスする場合など) |
変換対象 | NATデバイスを通過したパケットの「ソースIP」 | ルータを通過したパケットの「宛先IP」 |
処理順序 | 転送経路の決定 ↓ SNAT処理 |
DNAT処理 ↓ 転送経路の決定 |