<目次>
(1) 公開鍵方式と共通鍵方式の違いや特徴について
(1-1) はじめに
(1-2) 共通鍵方式
(1-2-1) どんな方式?
(1-2-2) 特徴
(1-2-3) 代表的なアルゴリズムは?
(1-3) 公開鍵方式
(1-3-1) どんな方式?
(1-3-2) 特徴
(1-3-3) 代表的なアルゴリズムは?
(1) 公開鍵方式と共通鍵方式の違いや特徴について
(1-1) はじめに
「公開鍵方式」と「共通鍵方式」はいずれもデータの「暗号化」と「復号化」の方式です。
そもそも、暗号化するには「アルゴリズム」と「鍵」の2つの重要な要素があります。
アルゴリズムは例えば「アルファベットをずらず」のようなルールで、鍵は「3文字ずらす」といった復号に必要な情報です。
このルールに沿って「HELLO」という文字列を送る場合のイメージは次の図のようになります。HELLOのアルファベットを3文字ずつずらして暗号化すると「KHOOR」となり、それが再び複合化されてHELLOに戻ります。
(図111)
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(1-2) 共通鍵方式
(1-2-1) どんな方式?
暗号化と複合化に同じ鍵を使用する方式です。
(流れ)
・①送信者と受信者の間で鍵を共有
媒体(CDやUSB)等でなるべくインターネットを介さずに渡す事が望ましいです。
↓
・②送信者が「共通鍵」で暗号化したデータを送信
↓
・③受信者が「共通鍵」で複合化したデータを受信
(図121)
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(1-2-2) 特徴
(表)
●項目 |
●内容 |
暗号化/複合化の鍵 |
同一の鍵を使用 |
処理速度 |
速い |
安全性 |
△
(暗号/複合に同一の鍵を使用するため) |
鍵の個数 |
通信相手の数だけ必要 |
(デメリット)
・当事者間で鍵の共有が必要(手間が掛かる)
・インターネット経由での鍵の共有は危険が伴う
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(1-2-3) 代表的なアルゴリズムは?
(表)
●アルゴリズム |
●備考 |
DES |
米国標準 |
AES |
共通鍵暗号化方式の標準的なアルゴリズム |
RCシリーズ(RC2、RC4、RC5など) |
RSAセキュリティ社が開発したアルゴリズム |
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(1-3) 公開鍵方式
(1-3-1) どんな方式?
公開鍵方式は共通鍵方式の「欠点を補う」方式です。この方式では「鍵ペア」と呼ばれる2つで1セットの鍵を使用します。その鍵のうち「公開鍵」は送信者に公開して、それを使って暗号化してもらいます。もう一つの「秘密鍵」は受信者が誰にも知られないように厳重に持っており、復号化に使います。
このように鍵の受け渡しのリスクが低い事から、インターネット上の通信の暗号化に利用されます。暗号化をしたい人は自らで「鍵ペア」を作成し、そのうちの「公開鍵」はインターネット上で不特定多数に対して公開し、秘密鍵は厳重に管理します。
(流れ)
・①送信者は、受信者が公開している「公開鍵」を入手する
↓
・②送信者が「受信者の公開鍵」で暗号化したデータを送信
↓
・③受信者が「受信者の秘密鍵」で複合化したデータを受信
(図131)
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(1-3-2) 特徴
(表)
●項目 |
●内容 |
暗号化/複合化の鍵 |
異なる鍵を使用 |
処理速度 |
遅い |
安全性 |
○
(暗号/複合に異なる鍵を使うため) |
鍵の個数 |
鍵ペア1つのみでOK |
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(1-3-3) 代表的なアルゴリズムは?
(表)
●アルゴリズム |
●備考 |
RSA |
RSAセキュリティ社が開発した、素因数分解の難しさを利用したアルゴリズムで、実質的な業界標準のアルゴリズム |
楕円曲線暗号 |
楕円曲線の離散対数を利用したアルゴリズム |
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