<目次>
(1) システムの品質評価を実施する際の観点について
(1-1) 品質評価の流れ
(1-2) 定量評価
(1-3) 定性評価
(1) システムの品質評価を実施する際の観点について
(1-1) 品質評価の流れ
定量分析→定性分析の順番で進めていきます。
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(1-2) サンプルプログラム
定量評価は「数値」を用いて行う評価です。分析対象の項目(例:障害発生率、レビュー指摘率/密度など)に対して、基準として設けた上限値や下限値の範囲に収まっているかどうか?を数値的に評価します。
(例)
XXXXシステムの障害発生率は49件/Kstepであり、目標値である12件/Kstep(上限:15件/Kstep、下限:10件/Kstep)の約3.2倍の件数が検出された。
定量分析を行う際には、集計したデータを図やグラフで表現するのが一般的です。下記のIPA(情報処理推進機構)の資料でもP.70~P.71辺りで「品質予測モデル」として紹介されていますが、一般的には分析項目の「分布」を見る場合は「ゾーンモデル」を使い、傾向を見る際は「PB曲線」を使うケースが多いです。
(表)
XXXの分布状況を見る
(例)
・x軸:レビュー密度
・y軸:レビュー指摘率 |
ゾーンモデル |
テストの傾向を見る
(例)
・x軸:テスト日数
・y軸①:テスト項目数
・y軸②:欠陥数(障害発生件数) |
PB曲線 |
(図121)ゾーンモデル
(1-3) 定性評価
定性評価は「特徴や傾向」から行う評価です。
基本的には「定量分析」のアウトプットから、ポイントとなる観点を選択して、それに対する深堀を行います。
深堀は具体的には以下のような項目を指します。
(例)
・直接原因の分析
・根本原因の分析
・再発防止策の検討
また、これらの深堀を行うためには、現物の確認(実際の成果物を自分の目で見る)や担当者へのヒアリング等も行いながら分析を進めます。
イメージが湧きやすいよう、具体的な分析観点の例をご紹介します。
(例)
XXXXシステムのレビュー指摘の内訳は「記載漏れ:25%、記載内容誤り:25%、記載不足:37%、仕様間不整合:3%、誤字脱字:5%、その他:5%」となっており、「記載不足」の割合が多発しており、メンバー育成や共有事項の周知徹底に問題がある可能性があると考えられる。
上記の例では、まず定量分析の中で各成果物のレビュー記録票を全て集計した結果、各指摘分類のパーセンテージの情報が出ており、それに対して、特に平均と比較して突出している点である「記載不足」に着眼した形になります。