(0)目次&概説
(1) 記事の目的
(2) 日本語化の対応手順
(3) 各パッケージの補足説明
(4) エラー対処:IBusの”Unable to keep Input Method Running”エラー
(4-1) エラー事象
(4-2) エラー原因
(4-3) 修正コマンド
(5) エラー対処2:日本語が文字化けしてしまったら
(5-1) エラー原因
(5-2) 対処方法
(1) 記事の目的
→別記事を参照:CentOS6にVNCServerでリモート接続して日本語入力を可能にする方法
(2) 日本語化の対応手順
→別記事を参照:CentOS6にVNCServerでリモート接続して日本語入力を可能にする方法
(3) 各パッケージの補足説明
→別記事を参照:CentOS6にVNCServerでリモート接続して日本語入力を可能にする方法
(4) エラー対処:IBusの「Unable to keep Input Method Running」エラー
(4-1) エラー事象
もしも”Japanese Support”のインストール後にGNOMEデスクトップにログインして、画面の右上に「Unable to keep Input Method running」というメッセージが出てきた場合の対処についてです。
(図401)”Unable to keep Input Method running”エラー
まずはメッセージに記載の通り「.imsettings.log」というログファイルを参照します。私の場合は各ユーザのフォルダ(「/root」や「/home/admin」など)の配下にこのログファイルが生成されていました。
(図402)”.imsettings.log”の確認
↓
(4-2) エラー原因
エラーメッセージにて次の文章が散見されており、「/var/lib/dbus/machine-id」に何かしらの問題がある事が読み取れます。またこの問題を修正するために「dbus-uuidgen」コマンドのマニュアルを見ろと書いてあるのが手掛かりとなりました。
IBus[XXXX]: process 8510: D-Bus library appears to be incorrectly set up; failed to read machine uuid: Failed to open "/var/lib/dbus/machine-id": No such file or directory IBus[XXXX]: See the manual page for dbus-uuidgen to correct this issue.
(4-3) 修正コマンド
修正のために次のコマンドを実行します。
# dbus-uuidgen > /var/lib/dbus/machine-id
このコマンドはD-Busの”Universal Unique ID”を新規に採番し、その結果を「/var/lib/dbus/machine-id」というファイルを作り、そこに出力しています。UUIDとはシステムの様々な要素を識別するための一意なIDで、各人が自由に新規採番する事ができるものの、その工夫された採番方法から勝手に作ってもまず重複しない様に設計されています。
D-BusにおけるUUIDの注意点として①次の再起動まで不変のIDである点、②OSカーネルのインスタンス間で一意なIDである必要があります。なのでOSの中に異なるVMが複数存在する場合などはD-BusのUUIDも別々に採番する必要があります。
(図403)”machine-id”ファイルの確認
一般的に上記のコマンドはD-Busのセットアップ後に流すコマンドのようですが、もし同じエラーが出た場合は自身でこのコマンドを実行してエラーを修正してみて下さい。
(5) エラー対処2:日本語が文字化けしてしまったら
次の図のようにTeraTermの日本語が文字化けしてしまったり、Eclipseの日本語が文字化けしてしまう場合の対処方についてです。
(図501)文字化け
(5-1) エラー原因
エラー原因はいくつか候補がありますが、例として「フォントファイルが不足している」「Eclipseの翻訳データが無い」等が考えられます。
(5-2) 対処方法
次のコマンドで”Japanese Support”パッケージを導入する事で、フォントの不足や翻訳データ不足を解消できます。
sudo yum -y groupinstall "Japanese Support"
もしコマンド実行後に「Unable to keep Input Method Running」エラーが出た場合は「(4) エラー対処:IBusの”Unable to keep Input Method Running”エラー」の対応をお願いします。
また”Japanese Support”には次のような機能が含まれています。
(表)”Japanese Support”の内容概要
グループ: 日本語のサポート | |
Language: ja | |
標準パッケージ: | |
ipa-gothic-fonts | IPAのゴシックフォント |
ipa-mincho-fonts | IPAの明朝フォント |
ipa-pgothic-fonts | IPAのPゴシックフォント |
ipa-pmincho-fonts | IPAのP明朝フォント |
vlgothic-fonts | VLゴシックフォント |
vlgothic-p-fonts | |
条件付パッケージ: | |
autocorr-ja | 日本語の自動修正ルール(誤記を検知して補正?) |
eclipse-nls-ja | Eclipseプロジェクトの日本語翻訳データが入っています。Babel Project等で状況を確認できます(http://babel.eclipse.org/) |
ibus-anthy | AnthyはMozcと同様、変換エンジンです。外来語とかはMozcが強いのだとか。 |
kde-i18n-Japanese | KDEはUNIX系OSで利用されるデスクトップ環境の一つでGNOME等と並列で比較されます。この「i18n」はKDEのInternationalization用のパッケージです。 |
kde-l10n-Japanese | この「l10n」はKDEのLocalization用のパッケージです。 |
libreoffice-langpack-ja | Fedora等のOSにてデフォルトで入っているOffice環境が「LibreOffice」でその日本語化用 |
man-pages-ja | Linux関連の日本語マニュアルなど |
poppler-data | PDFビューアで日本語利用する際に必要なパッケージ |