(1) LiteSpeedとApacheの違いや特徴~Webサーバ比較~
(1-1) LiteSpeedの概要
(1-2) 比較表(LiteSpeedとApache)
(1-3) 比較表の補足
(1-4) メリデメ整理
(1) LiteSpeedとApacheの違いや特徴~Webサーバ比較~
(1-1) LiteSpeedの概要
恐らくApacheは知っているけどLiteSpeedは余り馴染みがない、という方が現時点では多い気がするので、LiteSpeedの概要について簡単にご紹介します(⇒参考:Apacheの概要)
LiteSpeedは、2002年に「Litespeed industries Inc.」によって開発されたWebサーバです。「Webサーバ」というのは「HTTPサーバ」とも呼ばれ、URLやHTTPプロトコルを解釈し、ユーザーのデバイスにWebサイトのコンテンツを届ける役割を果たすサーバです。
(1-2) 比較表(LiteSpeedとApache)
いくつかの観点で両者を比較した表が以下です。
■比較項目 | ■Apache | ■LiteSpeed |
用途 | HTTPサーバー | Webサーバ (※注1) |
区分 | OSS | 非OSS |
サポート体制 (バグ対応など) |
Apacheソフトウェア財団が支援するコミュニティに所属する世界中のエンジニアにより対応。 | LiteSpeed Technologiesにて対応。 |
対応OS | ◎:Unix系OS ◎:Windows |
◎:Unix系OS ×:Windows |
リクエスト処理方式 | マルチスレッド方式
※選択肢が多く、リクエスト処理やウェブトラフィック(送受信データ)の処理のための、マルチプロセス処理が可能。 |
イベント駆動方式
※最小限のHWリソースで、クライアントからのリクエストを処理する方針。 |
HTTPプロトコル | ○:「HTTP/2」対応 | ◎:「HTTP/3」対応 |
アーキテクチャ | マルチスレッド (ただし拡張性が低い) |
非同期イベント駆動 |
同時接続 | △:処理不可
※重いトラフィック(=NWを伝うデータ量)の同時処理は不可 |
◎:処理可
※限られたハードウェアリソースでも、クライアントリクエストの同時処理が可能 |
スレッド vs 接続の対応 | △:1対1 スレッドと接続は「1対1」で対応 |
◎:1対N スレッドと接続は「1対N」で対応 (1スレッドで複数接続を処理可能) |
静的ページの処理性能 | △: Nginxと比較して劣る |
◎: 静的コンテンツに対する数千の同時接続を処理可能。 |
(※注1)
Apacheは「HTTPサーバ」と表現されており、LiteSpeedは「Webサーバ」と表現していますが、意味合い的には≒です(殆どのWebサーバは基本的にHTTPサーバですが、HTTPサーバの中にはWebサイトを提供しないものもあるため、一応公式ページに従った表現のまま書いています)。
(1-3) 比較表の補足
商用である(有料)
無料のバージョンもあるものの、大事な機能は有料版に含まれており、実質的には有料となっています。ただし、レンタルサーバー等に搭載されいてる分には、LiteSpeedの料金はレンタルサーバ自体の代金に含まれている事が多いため、サーバを利用する我々からすると余り意識する金額ではないかも知れません。
HTTP/3に対応
HTTP/3に対応している数少ないWebサーバである点も大きな強みの1つです。
(a) HTTP2では・・
HTTP/2では「ストリーム」と呼ばれる抽象概念が導入され、HTTPの実装により、同じポートに対して同時に複数のHTTP通信を行う事が出来るようになりました(TCP接続の再利用が可能になった)。
しかしながら、HTTP通信をストリームに分割していても、TCPはそれらの違いを区別できないため、パケット損失が発生すると、全リクエスト&レスポンスに影響が及びます。
対してHTTP3では、トランスポート層(第4層)で「TCP」を採用する代わりに、「QUIC」と呼ばれるGoogleが設計したトランスポート層用のプロトコルを採用しています。
QUICでは、トランスポート層の中で「ストリーム」を優遇しており、複数ストリームが同じQUIC接続を共有でき、それにより各ストリームで追加のハンドシェイク(通信確立・事前パラメータ設定)も不要となり、高速化を実現しています。
そして各ストリームは独立して提供されるので、パケットの欠損が発生しても、他ストリームには影響が及ばないという利点があります。
高速である
アーキテクチャ
(1-4) メリデメ整理
メリット&デメリット
❌:商用である (有料:月額 $14~$92)
対応OSについて、LiteSpeedはWindowsには対応していない様です。主な対応OSはUnix系(CloudLinux・CentOS, RedHat, Fedora, Debian, Ubuntu・FreeBSD)です。