<目次>
(1) Azureの仮想ネットワーク(VNet)とは?
(1-1) 仮想ネットワーク(VNet)の概要
(1-2) Azureで仮想ネットワーク(VNet)を作る手順
(1-3) 超イケてる!ダイアグラム機能について
(1-4) 仮想ネットワーク(VNet)の備考・制約事項など
(1-5) まとめ
(1) Azureの仮想ネットワーク(VNet)とは?
(1-1) 仮想ネットワーク(VNet)の概要
●仮想ネットワーク(VNet)とは?
仮想ネットワーク(VNet)を一言で表すなら、「現実世界の物理的なネットワーク(LANケーブル、HUB、ルータなど)を仮想化したもの」と言えます。言い換えるなら「物理的なネットワークをソフトウェアで疑似的に再現した、ケーブルレス(ケーブル不要、ルータ等の物理機器不要)なネットワーク」です。
イメージしてみると、物理サーバの上に複数の仮想サーバが載っているように、物理的なネットワーク(LANケーブル、HUB、ルータなど)もそれに伴って仮想化する事で、平仄が取れるようになる、といったイメージです。
(図111)
●サブネットに区切る事も可能
VNetは作成時にIPアドレスの範囲を指定して作成されます。以下は実際の設定画面で、
プライベートIPの範囲「10.2.0.0~10.2.255.255」を確保した仮想LANネットワークを作っています。
(図112)
そして、仮想ネットワーク(VNet)は物理ネットワークと同様に、小分けにした「サブネット」に区切る事ができます。また、サブネットは複数追加する事も可能です。
(図113)
サブネットに区切る目的はいくつかありますが、例えば以下のような狙いがあります。
①IPアドレス及びリソースを管理しやすくするため
②サブネット単位でフィルターやセキュリティルール(AzureのNetwork Security Groupなど)を割り当てるため
●VNetの主な役割
VNetには主に以下のような役割を担っています。
・①独立したネットワークを作る
他ネットワークの影響を受けない、独立したネットワークに区切ります。
・②他リソースとの通信を行う
・③外部からの通信をフィルタリングする
NSG(AzureのFirewallに似た機能)等をサブネットに割り当てる事で、比較的簡単にパケットフィルタリングを行う事ができます。
・④通信のルーティング
VNet―インターネット間や、VNet―オンプレミス環境間のルーティング(経路を選択してパケットを届ける)をする
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(1-2) Azureで仮想ネットワーク(VNet)を作る手順
●仮想ネットワーク(VNet)作成画面を開く
Azureポータルにログインし、メニューから「仮想ネットワーク」を選択します。
(図121)
●新規作成
上段メニューの「+新規」を押下します。
(図122)
●設定値の入力
(図123)タブ「基本」の例
(図124)タブ「IPアドレス」の例
(図125)タブ「IPアドレス」でサブネットを追加している画面
(図126)タブ「セキュリティ」の例
●確認及び作成~デプロイ~結果チェック
・入力が完了したら「作成」を押下して、デプロイします。
(図127)確認及び作成画面
↓
・「リソースに移動」を押下して結果を確認します。
(図128)デプロイ画面
・設定した情報で作成されています。サブネットは別リソースとなっており、左側の「サブネット」を押すと確認できます。
(図129)
(1-3) 超イケてる!ダイアグラム機能について
AzureのVNetには「ダイアグラム」と呼ばれる、「ネットワーク図」を非常に簡単に生成できる素晴らしい機能があります。
VNetの左メニューから「ダイアグラム」を押下すると、次のようにVNetのネットワーク図を自動生成できます。
(図130)
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(1-4) 仮想ネットワーク(VNet)の備考・制約事項など
・サブネットもインターネット接続可能
VNetから切り出したサブネット(小分けにしたNW)はデフォルトでインターネット接続が可能です
・リージョンを跨がる事ができない
VNetはリージョンを跨がる事ができないため、リージョンを跨るサービスを提供する場合は必然的に複数のVNetを作成する必要があります。ただし、VNetの「ピアリング」技術を使う事で、異なるVNetを仮想的に1つに見せる事は可能です。あるいは、「VPNゲートウェイ」を使う事でも解決する事ができます。
(1-5) まとめ
・VNetを使う事で、Azureのリソース(仮想マシンなど)が、他リソース/インターネット/オンプレミス環境のNWとセキュアに通信する事ができます。
・通常、オンプレミスのデータセンターで作るネットワークと基本的には似ていますが、それに加えてAzureのインフラの利点である「スケーラビリティ」(取引増えても単位時間当たりの処理能力は維持)や「可用性」(障害起きても業務継続)などを持つ事ができます。