<目次>
P2P(Procure to Payment)とO2C(Order to Cash)の比較と両者の違いについて
本記事の目的
P2P/O2Cの概要
P2P/O2Cの流れ
P2PとO2Cの違い(表)
まとめ
P2P(Procure to Payment)とO2C(Order to Cash)の比較と両者の違いについて
本記事の目的
調達のプロセスを表す用語であるP2PやO2Cについて、それぞれの特徴や違いを明確にすることを目的とします。
P2P/O2Cの概要
P2P(Procure to Pay)とO2C(Order to Cash)は、どちらも企業活動における重要な業務プロセスを指します。前者は調達(買う)側、後者は販売(売る)側の視点で、業務の流れを体系化したものです。
P2Pの概要
P2Pについてはこちらの記事をご参照ください。
O2Cの概要
・O2C(Order to Cash)プロセスは、組織の「受注プロセス」に関するEnd-To-Endの手続きを表す言葉です。
・顧客からの受注に始まり、顧客からの入金で終わる一連の流れを含みます。
・O2Cは顧客との関係性を管理・改善するための重要な指標にもなります。
P2P/O2Cの流れ
P2Pの流れ
P2Pの詳細な流れについてはこちらの記事をご参照ください。
O2Cの流れ
実際のO2Cの大まかな流れをご紹介します。
(図121)

O2Cプロセスは、顧客(バイヤー)が購買部門を通じて商品やサービスを発注することで開始します。
・②商品の提供準備(Fulfill the Order)
受注後、商品を発送する準備や、サービスの提供日程調整を行います。
・③発送(Ship the Order)
商品を発送、またはサービスを提供します。
・④顧客に請求書を送付(Invoice the Customer)
納品・サービス提供後、請求書を発行して顧客に送付します。
・⑤支払記録(Record Payment)
顧客からの支払いが完了したら、売掛金担当が元帳に記録します。
P2PとO2Cの違い(表)
P2PとO2Cの違いは、主に「どちらの立場から業務を見ているか」によって分かれます。以下の表をご覧ください。
| 名称 | 説明 |
|---|---|
| Purchase-To-Pay (P2P) ≒Procure-To-Pay |
主に「バイヤー(※注1)」視点でのプロセス。 「①発注依頼」→「②納品・受領」→「③請求・支払」のうち、 「①発注依頼」と「③請求・支払」に焦点を当てている。 |
| Order-To-Cash (O2C) | 主に「サプライヤー(※注2)」視点でのプロセス。 「①発注依頼」→「②納品・受領」→「③請求・支払」のうち、 「②納品・受領」と「③請求・支払」に焦点を当てている。 |
(※注1)バイヤーの中でも購買部門を想定。
(※注2)サプライヤーの中でも商品提供部門や財務会計部門などが該当します。
この違いを図で整理すると以下のようになります。
(図131)

まとめ
- P2PとO2Cでは、業務の視点が異なります。
- P2Pは「バイヤー視点」のプロセスで、発注~支払を中心に見ます。
- O2Cは「サプライヤー視点」のプロセスで、納品~回収を中心に見ます。
- いずれも、「①発注依頼」→「②納品・受領」→「③請求・支払」の流れに関与しますが、注目点が異なります。