今回はアルバイトの『採用コスト(採用側の人件費)』を削減したいと考えている店舗責任者やアルバイト面接官の方向けに、システム導入等による費用対効果がどの程度ありそうか?の一つの参考情報として、当方で机上計算での削減効果計算をした結果を共有いたします。
(※当記事の試算は筆者個人の見解であるため、あくまで「参考」程度に捉えて頂けたらと思います。)
■■目次■■
(1) アルバイト採用に掛かるコスト
(1-1) 1ヶ月に掛かる採用費用を試算
(1-2) 試算の根拠
(2) 「面接コボット」による採用コスト削減効果を考察
(2-1) 面接コボットとは?
(2-2) 面接コボットの導入効果の考察
(1) アルバイト採用に掛かるコストの考察
(1-1) 1ヶ月に掛かる採用費用を試算
まずは従来の採用フロー、つまりシステム導入していない場合に発生する採用コストを考えてみます。
先に結論から述べると、下記の前提条件における「1ヶ月の採用コスト」は「約42,900円」という試算結果になりました。
(前提条件)
・応募者1人に掛ける時間=3.9時間
・面接人数/月=5.0人
・採用担当者の時給=2,200円
(1-2) 試算の根拠
次の表はアルバイトの採用において『応募者1人あたりに発生するタスク』と、その推定所要時間を整理したものです。
(※計算の簡便性のため、書類選考による落選はないものとし、履歴書を送ったら必ず面接して貰える前提で計算します)
(表1)【採用タスクの所要時間】
タスク | 応募者 (単位:時間) |
採用者側 |
想定タスク |
応募 | 0.2 時間 | – | ・求人情報サイト等からの応募 (※求人サイト利用の想定で、採用者側には直接TEL問い合わせが発生しない想定で、採用者側は「0」) |
応募内容の確認 | – | 0.5 時間 | ・事前フォーム等の内容チェック ・応募者の管理 ・一次合否判定 |
応募者への一次返信 | – | 0.5 時間 | ・メール連絡 |
∟応募者との面接日程調整 | 0.5 時間 | 0.5 時間 | ・スケジュール調整(メール) ・スケジュール再調整(メール) |
∟応募者との面接日程確定 | 0.1 時間 | 0.2 時間 | ・スケジュール確定 ・応募者へ連絡(メールor電話) |
面接準備(応募者) | 5.0 時間 | – | ・履歴書作成 ・面接準備 |
面接準備(採用者側) | – | 0.6 時間 | ・履歴書確認 ・リマインドメール送付 |
面接 | 0.5 時間 | 0.5 時間 | ・面接 |
面接結果の整理 | – | 0.5 時間 | ・面接結果の記録 ・面接の評価 |
面接結果の確定 | – | 0.5 時間 | ・他応募者との比較検討 |
面接結果の連絡 | 0.1 時間 | 0.1 時間 | ・メール連絡 |
上記の時間を合計すると、次のようになります。
(表2)【採用タスクの合計所要時間(1人当たり)】
応募者 (単位:時間) |
採用者側 (単位:時間) |
|
合計(応募者1人に掛ける時間) | 6.4 時間 | 3.9 時間 ・・・★① |
これで応募社1人に対して必要な時間が算出できたので、次に『1ヶ月で何人の面接を行うのか』を考えます。
仮に1年のアルバイト採用人数を「6人」と仮定し、「採用率(面接に合格する確率)」を「25%」と仮定した際の、1ヶ月当たりの面接人数は次の通り「2.0人/月」です。
(表3)【1ヶ月当たりの面接人数】
計算項目 | 人数 |
①採用人数/年 | 30.0 |
②採用率(%) | 50.0 |
③面接人数/年 =①÷(②/100) |
60.0 |
④面接人数/月 =③÷12ヶ月 |
5.0 人/月 ・・・★② |
これで「応募者1人に掛ける時間・・・★①」と「面接人数/月・・・★②」が求まりました。仮に「採用担当者の時給」を「2000円」と仮定すると、これらの値を掛け算する事で「採用コスト/月」が算出できます。
【応募者1人に掛ける時間=3.9時間】×【面接人数/月=5.0人】×【採用担当者の時給=2,200円】=【42,900円】・・・★③
(2) 「面接コボット」による採用コスト削減効果を考察
上記の「採用コスト」試算結果に基づいて「面接コボット」の導入による採用コストの削減効果を考察します。
(2-1) 面接コボットとは?
「面接コボット」はディップ株式会社が提供しているRPA製品で、アルバイト採用における定型業務をロボットが自動対応してくれるソリューションです。機能一覧としては以下が公式ページに記載されています。製品の詳細についてはコボットの公式ページをご覧下さい(URL:https://kobot.jp/in/lp/001/)
①5分毎に媒体の応募者情報を自動で取り込み
②面接日の自動マッチング
③応募者へSMSとメールを自動配信
④面接日の変更/キャンセル機能
⑤応募者への事前質問が自由に設定可能
⑥スケジュール管理
⑦応募者の面接希望日回収
⑧応募者管理
⑨面接前日リマインドSMS/メール機能※「https://kobot.jp/in/lp/001/」より引用
(2-2) 面接コボットの導入効果の考察
面接コボットの詳細ページによると、導入は「3万円/月~」とありますので、上記の試算の例ではコスト削減効果が見込める(効果アリ)の試算になります。ですので、ある程度の人数を採用する場合などは、面接コボット導入により採用コストの削減が実現できると考えています。
特に管理する人数が多くなればなる程、選考管理が煩雑になっていき、Excel等の手管理では時間も費用も掛かってしまうので、そうした方の悩みを解決するソリューションの一つになるのではと筆者は考えております。