<目次>
(1) シーケンス図の書き方やサンプルのご紹介(内部設計)
(1-1) シーケンス図を作る目的
(1-2) シーケンス図の書き方
(1-3) ご参考:縦軸の単位について
(1) シーケンス図の書き方やサンプルのご紹介(内部設計)
(1-1) シーケンス図を作る目的
シーケンス図は、クラスやプロセス間の「連続した処理の流れ」を定義したドキュメントです。
機能の全体像や処理の流れを掴むのに役立ちます。また、障害発生時における迅速な調査や、性能検証を行う際の単位としても使用されるケースがあります。
・(例)障害発生時
⇒シーケンス図ベースで障害箇所の認識合わせを行う
・(例)性能検証
⇒シーケンス図の矢印単位に処理時間を明確化していく
(1-2) シーケンス図の書き方
●①インスタンス/プロセスの追記(英:Lifelines)
関係するクラス(orプロセス)を、登場人物としてドキュメントの上部に水平に並べます。図形は四角で表現し、箱の中にはインスタンス名やプロセス名を書きます。また、各図形から下向きに点線を下ろし、そこに処理の流れを表現していきます。
(図110)
●②アクティベーションバーの追記(英:Activation Bar)
アクティベーションバーは、インスタンス/プロセスが有効な期間を表すために記載します。①のインスタンス/プロセスの点線上に細長いバーを描画する事で、その間はインスタンス/プロセスが有効である事を意味します。
(図111)
●③インスタンス/プロセス間の通信を追記(英:Messages)
インスタンス間/プロセス間の通信を、上から順番に、矢印で表現します。この通信(Message)は大きく6種類に大別する事が出来ます。
(図112)①
(表)
①同期メッセージ |
同期処理では、前の処理が完了するのを待ってから次の処理に移ります。
つまり、メッセージの送信者は、受信者の処理が完了するまで(応答メッセージを受け取るまで)待ってから、次の処理に移ります。 |
②非同期メッセージ |
非同期処理では、前の処理の完了を待たずに次の処理に移ります。
つまり、メッセージの送信者は、受信者から応答を待たずに次の処理に進みます。 |
③応答メッセージ |
メッセージの受信者⇒送信者への応答です。 |
④自己メッセージ |
自分自身にメッセージを送るケースです。
プログラミング上の具体例は「再帰的呼出」(※注1)などが該当します。
(※注1)
メソッドの中で自分自身を呼び出すこと。 |
⑤参加者生成メッセージ |
シーケンス上で、インスタンスを新規に生成する場合の表現です。 |
⑥参加者破棄メッセージ |
シーケンス上で、インスタンスを破棄する場合の表現です。 |
一部追記した例が(図112)②になります。
(図112)②
これを他の部分についても同様に記載していったのが(図112)③になります。
(図112)③
●④条件分岐の追加
条件分岐の追加は、分岐箇所を四角の枠(英:Sequence Fragment)で囲い、左上に処理の意味を表すコード(altならif文、loopならfor文など)を記載します(英:Fragment Operator)。
その中で、ifとelseの処理を点線で区切り、それぞれ左側に条件(英:Guard)を記載します。
(図113)
(1-3) ご参考:縦軸の単位について
縦軸に並べる単位は明確に1つには決まりませんが、代表的なものとしては「インスタンス」の他に「プロセス」を使う事もあります。