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機械学習 (Machine Learning)

tensorflowのmatmulの使い方について(次元別の仕様やnumpy.matmulとの違いを整理)

投稿日:2022年10月8日 更新日:

 

<目次>

(1) tensorflowのmatmulの使い方について(次元別の仕様やnumpy.matmulとの違いを整理)
 (1-1) tensorflow.matmulの次元別の挙動
 (1-2) tensorflow.matmulの次元別の挙動(詳細)
 (1-3) tensorflow.matmulの次元別の挙動確認に使用したプログラム
 (1-4) (参考)numpyのmatmulについて

(1) tensorflowのmatmulの使い方について(次元別の仕様やnumpy.matmulとの違いを整理)

(1-1) tensorflow.matmulの次元別の挙動

(表)

次元
(行列1\行列2)
n=1 n=2 n>2
n=1
(例:[1])

・エラー
(In[0] and In[1] ndims must be >= 2)

・エラー
(In[0] and In[1] has different ndims: [2] vs. [2,1])

・エラー
(In[0] ndims must be >= 2)
n=2
(例:[[1],[1]])

・エラー
(In[0] and In[1] has different ndims: [1,2] vs. [2])

・行列の掛け算

・最後の2次元の行列をスタックした扱い。
・掛け算の考え方はブロードキャスト
n>2
(例:[[[1],[1]],[[1],[1]]])

・エラー
(In[1] ndims must be >= 2)

・最後の2次元の行列をスタックした扱い。
・掛け算の考え方はブロードキャスト

・最後の2次元の行列をスタックした扱い。
・先頭の次元が同じ場合に限り、対応する要素の行列同士を掛け算

(1-2) tensorflow.matmulの次元別の挙動(詳細)

●①②③④⑦(第1引数or第2引数のいずれかにN=1を含む)
⇒エラーになる。
⇒ただし、同じmatmulでもnumpy.matmulの場合はN=1の場合、計算時にN=2に補って計算してくれます(例:[2]なら[[2]]に変換して計算)。
 
●⑤「N=2 & N=2」
⇒行列の計算として扱える
 
●⑥⑧⑨「N≧2 & N>2」の場合
・numpyドキュメントに以下の記述あり(①②③④⑦以外はnumpyもtensorflowも同一挙動のため参考する)
(図111)
・最後の2つの次元(例:2×3×3なら「3×3」の部分)の行列の「スタック」(行列を連結)として扱われます。(例)下図の「赤色の3×3」と「緑色の3×3」の2行列が連結された形です。
(図120)


・基本的に、対応する要素同士(赤同士、緑同士)を掛け算します(先頭の次元が同じ数字の場合に限る。
⇒(例)2×3×3と3×3×3は掛け合わせ不可
⇒「⑨」に該当
(図121)
・ただし、先頭の次元が1の場合(例:1×3×3)の場合は、ブロードキャストされます
⇒(例)行列a_1x2x2の2×2を、行列b_2x2x2の2×2(2個)のそれぞれと掛け合わせ)
⇒「⑥」「⑧」に該当
(図122)
・⑥例:a_2d_1x2の「1×2」を、a_3d_2x2x1の「2×1」(2個)と掛け合わせ
・⑧例:a_3d_2x2x1の「2×1」(2個)を、a_2d_1x2の「1×2」と掛け合わせ
・⑨例:a_3d_2x2x1の「2×1」(2個)を、a_3d_2x1x2の「1×2」(2個)と掛け合わせ(対応する行列同士)
(図131)
・今までの説明で確認した法則に則っている事を確認
(図132)


・⑨補足
「対応する行列同士」が「赤同士、緑同士」である事を実証するため、次の簡単な確認を実施。
⇒図の中段:緑の行列の最後を[1,2,4]に変更すると、緑の行列にのみ影響(最後が[7,7,7]に変化)
⇒図の下段:赤の行列の最後を[1,1,2]に変更すると、緑の行列にのみ影響(最後が7] 7] 7]に変化)
 
(図134)

(1-3) tensorflow.matmulの次元別の挙動確認に使用したプログラム

(テストコード)
import tensorflow as tf
import numpy as np

def main():

    a_1d_2 = np.array([1,2])
    a_2d_1x2 = np.array([[1,2]])
    a_2d_2x1 = np.array([[1],[2]])
    a_3d_2x1x2 = np.array([[[1,2]],[[1,2]]])
    a_3d_2x2x1 = np.array([[[1],[2]],[[1],[2]]])

    # print("①:",tf.matmul(a_1d_2,a_1d_2).numpy())
    # print("②:",tf.matmul(a_1d_2,a_2d_2x1).numpy())
    # print("③:",tf.matmul(a_1d_2,a_3d_2x2x1).numpy())
    # print("④:",tf.matmul(a_2d_1x2,a_1d_2).numpy())
    # print("⑦:",tf.matmul(a_3d_2x1x2,a_1d_2).numpy())
    print("⑤:",tf.matmul(a_2d_1x2,a_2d_2x1).numpy())
    print("⑥:",tf.matmul(a_2d_1x2,a_3d_2x2x1).numpy())
    print("⑧:",tf.matmul(a_3d_2x2x1,a_2d_1x2).numpy())
    print("⑨:",tf.matmul(a_3d_2x2x1,a_3d_2x1x2).numpy())

if __name__ == "__main__":
    main()

(1-4) (参考)numpyのmatmulについて

・matmulはtensorflowのみならずnumpyにも同一名称の関数がありますが、少し挙動が異なります。
・①②③④⑦はエラーにせず、次元を補う事で内積計算を可能にしています。
(表)
次元
(行列1\行列2)
n=1 n=2 n>2
n=1
(例:[1])

・ベクトルの内積

・ベクトルの内積(の繰り返し)

⇒第1引数行列と第2引数列の最初の次元の内積を取る


・ベクトルの内積(の繰り返し)

⇒第1引数行列と第2引数列の最初の次元の内積を取る

n=2
(例:[[1],[1]])

・ベクトルの内積(の繰り返し)

⇒第1引数行列の最後の次元と第2引数列の内積を取る


・行列の掛け算

・最後の2次元の行列をスタックした扱い。
・掛け算の考え方はブロードキャスト
n>2
(例:[[[1],[1]],[[1],[1]]])

・ベクトルの内積(の繰り返し)

⇒第1引数行列の最後の次元と第2引数列の内積を取る


・最後の2次元の行列をスタックした扱い。
・掛け算の考え方はブロードキャスト

・最後の2次元の行列をスタックした扱い。
・先頭の次元が同じ場合に限り、対応する要素の行列同士を掛け算

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