<目次>
(1) リトルエンディアンとビッグエンディアンの違いや概要
(1-1) 「リトルエンディアン」と「ビッグエンディアン」とは?
(1-2) どのようなシーンで利用される?
(1) リトルエンディアンとビッグエンディアンの違いや概要
(1-1) 「リトルエンディアン」と「ビッグエンディアン」とは?
「リトルエンディアン」と「ビッグエンディアン」はいずれも、バイナリデータが「メモリにどのような形式で保存されるか?」を表す形式の事です。
●ビッグエンディアン
ビッグエンディアンは、バイナリデータの最も先頭のバイトが最初に格納される方式です。後述のリトルエンディアンに比べ、こちらの方がより直感的な方式です。
例えば、次のように16進数のデータ「0x12345678」があった時に、ビッグエンディアンの場合は最も先頭のバイトである「0x12」がメモリの最初に格納され、その後は順番に「0x34」⇒「0x56」⇒「0x78」と続きます。
(図111)
・ビッグエンディアンの利点
ビッグエンディアンの利点としては、直感的な順番で格納されているため、データの大きさや正負の符号が予測し易いという点です。
●リトルエンディアン
リトルエンディアンは、バイナリデータの最も末尾のバイトが最初に格納される方式です(ビッグエンディアンとは逆)。
例えば、次のように16進数のデータ「0x12345678」があった時に、リトルエンディアンの場合は最も末尾のバイトである「0x78」がメモリの最初に格納され、その後は順番に「0x56」⇒「0x34」⇒「0x12」と続きます。
(図112)
・リトルエンディアンの利点
末尾のバイトが最初に格納される性質のため、データの長さが変化した場合でも、「アドレスが変わる事なくアクセス出来る」点が利点となります。これは数値計算等をする際にも有利に働く性質となります。
また、末尾のバイトが先頭に来るため、データの長さが分からない場合でもデータを読みやすいメリットがあります。
●ポイント
これらはあくまで「メモリ上での保存のされ方」の話であり、リトルエンディアンであろうと、ビッグエンディアンであろうと「0x12345678」が「0x12345678」である事に変わりありません(データ自体はどちらの方式で保存しても変わりません)。
(1-2) どのようなシーンで利用される?
●ビッグエンディアンの用途例
TCP/IPプロトコルで使用されている事から、インターネット上でデータを転送する際には「ビッグエンディアン」に変換する必要があるという意味になります。
(例)
・TCP/IPプロトコル
・IBM 370メインフレーム
●リトルエンディアンの用途例
逆にリトルエンディアンは、前述の計算処理における利点がある事からIntel等のプロセッサで利用されています。
(例)
・IntelやAMDのx86_64プロセッサ