<目次>
(1) IP分散サーバーとは?IP分散の仕組みや必要性&注意点について
(1-1) IP分散サーバーとは?
(1-2) 一般的なレンタルサーバーはIP分散されていない?
(1-3) IP分散はなぜ必要?
(1-4) IP分散の注意点
(1) IP分散サーバーとは?IP分散の仕組みや必要性&注意点について
(1-1) IP分散サーバーとは?
IPアドレスが「クラスC」以上で分散されているものを指します。
IPアドレスはネットワーク上の機器を識別するための「住所」のような数列データで、0~255までの数字がドット区切り「.」で4つ並んでいます(例えば「170.38.19.112」)。
このドット「.」で分けた4つのブロックを、左から順番に「クラスA」「クラスB」「クラスC」「クラスD」と呼んでいます。
(図111)
IP分散されていて「クラスC分散されている」(IP分散 クラスC)という事は、クラスD以外の部分(A、B、C)は異なった値になっている(バラけている)事を意味します。
(図112)
IP分散サーバーでこのような「クラスCで分散」のものであれば、1つのサーバー契約でIP分散が行えるため、管理の手間やコストを抑える事ができます。
(1-2) 一般的なレンタルサーバーはIP分散されていない?
通常、同じレンタルサーバーの場合はこのクラスA~Cまでの部分は同一の値で、最後のクラスDの部分だけ異なる、といった割り振り方になっています
(図121)
例えば「ロリポップ」というレンタルサーバーサービスの場合、2010年頃に全サーバーーのIPアドレスをクラスA~クラスCまで(第3オクテットまで)統一し、「210.172.144.XX」の形式に変更されました(「クラスC分散」でなくなった)。
特に同一ブログサービス内に複数のブログを開設した場合などは、同じサーバー内に複数サイトを作っているため、IPアドレスとしては同一になってしまいます(分散されていない)。
(1-3) IP分散はなぜ必要?
理由はSEO対策のためです(Google検索で上位表示させるための対策)。
検索エンジンが被リンクを評価する際、分散されていないIPアドレス(クラスC以上で分散されていない)からの被リンクが多数あるよりも、IPアドレスが分散している(クラスC以上で分散している)方が評価が高くなる傾向にあるためです。
(1-3-1) IP分散されていない被リンクは低評価になる傾向
その理由として、IP分散されていない複数のIPアドレスからの被リンクが多い場合、同一人物の運営者が複数のサーバーを使って、自作自演で被リンクを貼っているとGoogleに疑われてしまうためです。
反対に分散したIPアドレスからの被リンクが多い場合、「異なる運営者からも評価されているサイト」である可能性が高いため、高評価に繋がりやすいとされています。
(図131)
>目次にもどる
(1-4) IP分散の注意点
①中古ドメインを利用する場合
サテライトサイト(メインサイトの集客を促進するためのダミーサイト)を開設する場合は、スタートダッシュを掛けるために中古ドメインを使う方もいらっしゃるかも知れません。
中古ドメインは過去に別のサイトで運営されていたが、閉鎖等で使われなくなり売却されているものです。中古ドメインの利点として、既に一定の評価を得ている場合に、ゼロからドメインを取得して成長させるよりも、比較的容易に上位表示を狙える点です。
ただし、中古ドメインも健全な運営をされていたなら良いのですが、もし過去にペナルティ等を受けていた場合などは逆にマイナス効果なので注意が必要です。
②SEOアルゴリズムの変化に注意
IP分散をして被リンクを増やすといった手法は当然ながらGoogleも認識しており、対策として「被リンク」の評価の比重を小さくしたりといった、よりコンテンツの「質」が問われる方向性に進んでいます。
現時点では一定の効果があると推定されるIP分散も、このアルゴリズム変更の方向性次第では、どうなるかは分からない状況ですので、あまりこれに依存はせずに「補助」的な位置づけで実施し、あくまで「コンテンツの質」にこだわっていく事が、遠回りのようで一番の近道なのかも知れません。