(1) ISIS・TWAIN・WIAのスキャナドライバ3種類の違いについて
(1-1) スキャナドライバの概要
(1-2) 比較表
(2) TWAINドライバのアーキテクチャ概要
(3) ISISドライバのアーキテクチャ概要
(1) ISIS・TWAIN・WIAのスキャナドライバ3種類の違いについて
ISIS・TWAIN・WIAの3つのスキャナドライバについて、それぞれの特徴や違いをご紹介します。特にTWAINとISISは良く使われるため、アーキテクチャの概要もご紹介します。
(1-1) スキャナドライバの概要
ISIS・TWAIN・WIAは「ソフトウェア」と「デジタル画像デバイス(=スキャナやデジカメ等)」が通信するための「規格」や「API群」の名称です。スキャナを制御するためのインターフェイスを提供します。多くのスキャナはISIS・TWAIN・WIAの全てのドライバーをサポートしています。
■TWAIN
・TWAINはどちらかというとメジャーで一般消費者向けのスキャナーにも搭載されており、より広い範囲をカバーしています。
■ISIS
・ISISは高速スキャンが得意で、大量に書類をスキャンするケースや、法人等でスキャナ設定を中央集中管理する際に使われます。
■WIA
・WIAは「Windows Image Acquisition」の略で、Windowsによりサポートされる、エントリーレベルのスキャナドライバインターフェイスです。
・TWAINやISISと比べると機能面では劣ります。
・OSはWindows OSのみでサポートされます。
(1-2) 比較表
(表)
比較観点 | ISIS | TWAIN | WIA |
利用者 | 法人向き (スキャナ設定の中央集中管理ができる) |
ISISよりもメジャーで特に、一般消費者向けのスキャナで利用される | デジカメ等で利用される |
機能面 | 高速スキャン向き (高速スキャナで利用するとより良いパフォーマンスになる) |
– ・200PPM程度までは問題なく利用できる |
エントリーレベル (ISISやTWAINと比較すると機能は少ないが、カメラ等の搭載に向く) |
料金
(開発・利用) |
有償 (のケースがある) ※スキャナの開発ベンダーは、適合するISISドライバーを作るためにEMC社にお金を払う必要あり。 |
無償 | 無償 |
所有企業 | EMC | TWAIN Working Group (NPO) | Microsoft |
OS制約 | なし | なし (Linux, macOS, Windows) |
Windowsのみ対応 |
(2) TWAINドライバのアーキテクチャ概要
■アプリケーション層
スキャナ等のデバイスを利用するアプリケーションがあるレイヤーです(例えば、スキャナを利用して取り込んだ画像を加工するソフト等)。これらがTWAINインターフェイスに準拠した実装をする事で、TWAINドライバを使った処理(スキャン等)が行えます。
■プロトコル層・取得層
プロトコル層にはTWAINより提供されるライブラリ(ソースマネージャー)等があります。これは例えばTWAIN_32.DLL等のライブラリで提供されており、アプリとデバイスとでデータを転送するための規約として機能を果たしています。
取得層は主にデバイスドライバーを指しており、スキャナを操作するためのソフトウェア等が該当します。そして、デバイスのIFを通じてハードウェアとコミュニケーションします。
(図111)
(3) ISISドライバのアーキテクチャ概要
ISISはEMC社の資料等から読み取れた範囲は少ないのですが、一旦分かる範囲でご紹介します。TWAINと同様に、ISIS用のスキャナドライバー等がクライアント側にあり、そこからISISライブラリを通じてアプリケーションと連携します。
(図112)