<目次>
(1) 年末調整とは?を分かりやすくご紹介
(1-1) 年末調整とは?
(1-2) なぜ差分(不足分や過剰分)が発生するか?
(1-3) 年末調整は何をやるの?
(1-4) 年末調整をしないとどうなる?
(1-5) 年末調整のスケジュール
(1) 年末調整とは?を分かりやすくご紹介
(1-1) 年末調整とは?
●その前に・・源泉徴収とは
会社が社員に月々の給与や賞与を支払う時に、そこから「所得税」を徴収する事が「源泉徴収」です。
●それを踏まえて・・年末調整とは
その年に収めるべき税額(年税額)は1年間(1月1日~12月31日)の給与・賞与(ボーナス)の合計金額をベースに計算されます。この本来徴収するべき税額(年税額)を再計算して、源泉徴収税の金額と比べた上で、その差分(不足分や過剰分)の金額を清算する事を「年末調整」と呼びます。
(図111)
(1-2) なぜ差分(不足分や過剰分)が発生するか?
月々の給与や賞与における税の徴収はあくまで下記に挙げるような税法上のルールに基づく「概算」の金額であり、その年の中で変動要素(例:家族構成の変化、職場の変化)による税額の変化などは加味しきれていないため、改めて年末に正しく清算するものになります。
●「源泉徴収額」と「年税額」に差異が生じる要因
・①毎月の給与額の変動
⇒毎月の源泉徴収額は、年間を通じて給与に変動がないと仮定して計算されます(実際は途中で変動する)
・②扶養家族の変動
⇒年の途中で扶養家族に変動があった場合、変動後の支払分からのみ適用されますが、遡って各月の源泉徴収税額を修正しないルールになっています(※本来は年末時点の扶養家族の状況を年間に適用する)
・③配偶者特別控除、保険料控除、住宅借入金特別控除による所得税額の減少
⇒毎月の源泉徴収額では、これらの金額の控除は考慮されていません。
・④賞与の税率による変動
⇒賞与に対する税率は前月の給与を基準に決められます。残業が多かったor少なかった等の理由でボーナス前月の給与が普段より多いor少ない場合に、年税額と乖離が生じます(扶養家族が途中で増えたら返戻(還付)、減ったら追徴(追加徴収))。
(1-3) 年末調整は何をやるの?
人によるため一律には言えませんが、会社員の場合のオーソドックスな例は下記。
・①扶養控除/配偶者特別控除申告 (必須)
⇒★年末調整 扶養控除 とは
・②保険料控除申告 (該当者)
⇒★
・③住宅借入等特別控除申告 (該当者)
住宅ローンを利用して住宅を建築・購入・居住している場合、居住開始から10年間(場合によりそれ以上)、年末のローン残高に応じて、所得税から一定金額を差し引く制度です。
なので、もしローンを組んで家を買った人などは申請の対象となります。対象となる居住の条件など詳細については、公式の情報源をご参照ください。
↓(参考)国税庁のページ
(1-4) 年末調整をしないとどうなる?
税額計算において「乙欄」が適用され、所得税が高額になってしまいます。加えて、翌年度の住民税について、本人が直接市町村に納付する義務が発生します。
そうならないために、通常はその年の「扶養控除申告」を提出する事により、通常の税額である「甲欄」を適用する事ができます。
(1-5) 年末調整のスケジュール
年や会社により異なると思いますが、おおまかには以下のようなスピード感です。
(表)
10月末頃 |
年末調整の開始 |
11月上旬頃 |
年末調整の書類必達日 |
12月給与 |
年末調整の結果を給与に反映 |
1月頃 |
源泉徴収票の発行 |