Rainbow Engine

IT技術を分かりやすく簡潔にまとめることによる学習の効率化、また日常の気付きを記録に残すことを目指します。

Linux

Linuxの”No space left on device”エラーの対処方法

投稿日:2017年5月5日 更新日:

(0)目次&概説

(1) 障害・不具合の概要
(2) 障害・不具合の原因
(3) 障害・不具合の対処

(1) 障害・不具合の概要

Linuxでファイルを作成した時などに”No space left on device error”というメッセージが出てしまい、ファイル操作全般が出来なくなっています。一例として下図は、zipを解凍の際に”No space left on device error”のエラーが出て処理できない状況です。

目次にもどる

(2) 障害・不具合の原因

この事象は”inode”の容量が限界を超えた際に発生する様です。”inode”はファイルやディレクトリの属性情報(作成者、グループ、作成日時、サイズなど)が書かれた領域のことで、この情報を用いてファイルシステムの管理を行います。つまりファイル数が肥大化して管理情報である”inode”の量が上限値に達した時に発生します。

以下コマンドでinodeの利用率を確認します。

df -i

表示結果を見ると「/」の直下が”inode”の使用率100%になっている事が分かります。

具体的にどのディレクトリがパンクしたかを調べるために、下記の様なコマンドを用いてディレクトリ毎の容量を確認します。

/* "--max-depth=1" : 集計するディレクトリの深さ(階層)を指定 */
/* "2> /dev/null" : 集計不可のディレクトリに関する結果行を排除 */
du -ah --max-depth=1 / 2> /dev/null

今回は下記ディレクトリに大量のlink-xxxファイルが生成されたため、inodeがパンクしました。

/tmp/orbit-admin

下記は生成されたソケットファイルの例です(別サーバの例)。

このlinc-xxxファイルはGNOMEのソケットファイルで、このファイルが意図せず大量に生成されるバグも2015年にRed Hat社のBugzillaにてBug1258459として報告されています。

目次にもどる

(3) 障害・不具合の対処

まずは緊急対処としてファイルを削除することを考えます。今回「/tmp/orbit-admin/」配下には不要は「linc-xxx」ファイル以外のファイルは無いため、「/tmp/orbit-admin/」配下のファイルを全て消すための下記コマンドを入力します。

/* (1)削除対象のファイルがあるディレクトリに移動 */
cd /tmp/orbit-admin
/* (2)削除コマンドの実行 */
/* xargs構文:[command#1] | xargs [command#2] */
ls ./ | xargs rm

(2)で使用している”xargs”は前半部コマンドの実行結果を引数にして、後半部コマンドを実行することが出来ます。今回の例では前半部の”ls ./”の結果が格納され、その結果を基に後半部の削除(rm)を実行しています。 “ls ./”には「/tmp/orbit-admin/」配下の全てのファイルがヒットするため、ソケットファイルが全て抽出されます。

rmコマンドは「rm [file#1] [file#2]…[file#n]」のように複数ファイルを指定できますが、数が膨大になる場合は1件ずつの記載が難しいため、xargsのように一括抽出・引数指定が必須になってきます。

また今回は手動削除での対応でしたが、理想的には自動での対処が望まれるため、今後は自動化のスクリプトを作成を検討します。

目次にもどる

Adsense審査用広告コード


Adsense審査用広告コード


-Linux

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

関連記事

パイプ通信とは?概要やサンプルプログラムをご紹介

  <目次> (1) パイプ通信とは?概要やサンプルプログラムをご紹介  (1-1) パイプ通信の概要  (1-2) パイプ通信の構文  (1-3) パイプ通信のサンプルプログラム①(単一プ …

Linux系OSのパッケージ管理システム(rpmやyum)及びリポジトリ(epel)について

(0)目次&概説 (1) 記事の目的  (1-1) 目的  (1-2) 前提条件 (2) rpm(パッケージ管理システム)  (2-1) rpmとは?  (2-2) rpmコマンド(追加・更新・削除) …

Linux(CentOS7)にTomcatをインストールする手順について

(0)目次&概説 (1) 記事の目的/前提 (2) 実施手順  (2-1) Tomcat用ユーザ/グループ作成  (2-2) 資源のダウンロード  (2-3) 資源の解凍  (2-4) 資源に必要権限 …

CentOS6にVNCServerでリモート接続して日本語入力を可能にする方法

(0)目次&概説 (1) 記事の目的 (2) 日本語化の対応手順  (2-1) ibus系のインストール  (2-2) dbusインストール+エラー回避  (2-3) mocz系パッケージのインストー …

GitHubのアカウント作成の手順と初期設定をご紹介

  <目次> (1) GitHubのアカウント作成の手順と初期設定をご紹介  (1-1) STEP1:GitHubアカウント作成  (1-2) STEP2:SSH Keyの設定 (1) Gi …

  • English (United States)
  • 日本語
Top