Rainbow Engine

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ドメイン (Domain)

ドメインと名前解決およびドメインの運営の仕組みについて

投稿日:2020年4月26日 更新日:

(0)目次&概説

(1) ドメインと名前解決
 (1-1) 名前解決とは?
 (1-2) DNSサーバの階層
 (1-3) DNSサーバの名前解決の流れ
(2) ドメインの運営とビジネスの仕組み
 (2-1) レジストリ・レジストラとは?

(1) ドメインと名前解決

(1-1) 名前解決とは?

DNSサーバは「名前解決」を行うサーバで、ネットワーク通信においてクライアントとサーバーを仲介する役割を果たしています。「名前解決」とはFQDN(ホスト名+ドメイン)とIPアドレスを対応付けして双方向に解決をする事を言います。ユーザーがブラウザ等から指定したFQDNのサーバと通信するためには「名前解決」が必須となります。

ドメインはネット上の住所に相当する情報ですが、実際にDNSサーバ内では「FQDN」(ホスト名+ドメイン名)と「IPアドレス」をセットで保持しており、通信の際には「FQDN」→「IPアドレス」に変換処理しています。

(1-2) DNSサーバの階層

世界のDNSサーバはツリー構造になっており、以下のようにレイヤーが分かれています。DNSサーバは自身で名前解決が出来ない場合に、別のドメインのDNSサーバに問い合わせます。このようにDNSサーバ同士が連携する事でインターネット上の全てのサーバとの通信が可能になります。

(表1)

DNSキャッシュサーバ
(フルサービスリゾルバー)
ユーザーから名前解決の依頼を受け、指定されたドメインを管理するDNSサーバへの問い合わせを代理で行い、その結果を返却するサーバです(あるいは、キャッシュに保持されていれば代理問い合わせせずに直接回答もできる)

Windowsの場合、コントロールパネルのTCP/IPv4のプロパティ画面から指定できます。
このサーバにネット上で公開されているルートサーバのIPアドレスを設定しておく事でルートサーバへの名前解決の依頼が行えます。

「フルサービスリゾルバ」は自組織のドメインの中にサーバがあるか、あるいは個人の場合はプロバイダ(インターネットサービスプロバイダ)のドメイン内になります。

ルートサーバ 世界で13個(a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m)存在する、DNSのツリー構造の起点となるサーバ群です。
(※13台ではなく13個。クラスタ化≒冗長化されているため物理的なサーバの台数はもっと多い)
TLD管理サーバ gTLD(com/net/org等)やccTLD(jpやcn等)といったTop Level Domainを管理するレイヤーのDNSサーバ
2LD管理サーバ co.jp等の特定のTLD配下(この例では.jp)のSecond Level Domainまでを含めたドメインを管理するレイヤーのDNSサーバ
3LD管理サーバ 2LDと同様、更に一段階細かいドメインを管理するレイヤーのDNSサーバ

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(1-3) DNSサーバの名前解決の流れ

実際にクライアントがブラウザからURLを入力してから目的のWebページに到達するまでの流れをみてみます。下図のように「DNSキャッシュサーバ」はまず最初に「ルートサーバ」に問い合わせをし、次に「.com」、「rainbow-engine.com」と各ドメインを管理するより詳細なレイヤーのDNSサーバへと問い合わせを繰り返しながら(ルート⇒TLD⇒2LD⇒3LD)、目的のドメインを絞り込んでいきます。

(図1)DNSの名前解決の流れ
※下図はイメージ図で現実の設定とは異なる部分があります

(表)DNSの名前解決の流れ

FROM   TO
①ブラウザにURLを入力
——————–
rainbow-engine.comのIPは?
⇒⇒⇒ DNSキャッシュサーバにIPアドレスを照会
②DNSキャッシュサーバ
——————–
自身のキャッシュには無いのでルートDNS聞く。rainbow-engine.comのIPは?
⇒⇒⇒ ルートDNSにIPアドレスを照会
③ルートDNS
——————–
自身の管理下には無いので、知っている人(TLD「.com」の権威DNS)に聞いてもらう様に案内する
⇒⇒⇒ DNSキャッシュサーバに目的情報を保有するDNSの情報(TLD)を返却
④DNSキャッシュサーバ
——————–
rainbow-engine.comのIPは?
⇒⇒⇒ 該当TLDのDNSに照会
(.comの権威DNS)
⑤該当TLDのDNS
——————–
自身の管理下には無いので、知っている人(SLD「rainbow-engine.com」の権威DNS)に聞いてもらう様に案内する
⇒⇒⇒ DNSキャッシュサーバに目的情報を保有するDNSの情報(2LD)を返却
⑥DNSキャッシュサーバ
——————–
rainbow-engine.comのIPは?
⇒⇒⇒ 該当2LDのDNSに照会
(rainbow-engine.comのDNS)
⑦該当2LDのDNS
——————–
rainbow-engine.comは自分が管理しているので名前解決をしてIPアドレスを教える
⇒⇒⇒ DNSキャッシュサーバにIPアドレスを返却
⑧DNSキャッシュサーバ
——————–
権威DNSから教えてもらったIPをクライアントに連携
⇒⇒⇒ ブラウザにIPアドレスを返却
⑨ブラウザ
——————–
教えてもらったIPアドレスを使ってWebサイトにアクセス
⇒⇒⇒ 目的のWebサイトにアクセス

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(2) ドメインの運営とビジネスの仕組み

(2-1) レジストリ・レジストラとは?

(図3)レジストリとレジストラの関係

(2-1-1) レジストリとは?

「レジストリ」はドメインやIPアドレス等の登録や管理している機関で、いくつかの役割があります。

①ドメインやIPアドレス等の登録や管理
 ⇒有効期限の管理(多くの場合1年)

 ⇒レジストリデータベースでのWHOISデータ管理
など

②Top Level DomainのDNSサーバの利用提供
ドメインの場合は各トップレベルドメイン(「.jp」や「.com」など)毎に存在しており(原則TLD1つに対して1機関)、TLDに紐づく全ての登録済ドメインやその利用者情報を管理・登録等しています。
(例)
「.edu」 Educauseが管理
「.com」「.net」 VeriSignが管理
「.jp」 JPRSが管理
「.tokyo」 GMOが管理

③ルートDNSの運用

もう一つの大きな役割であるDNSサーバについて、VeriSignやJPRSは世界に13個あるルートDNSサーバを運用しています。

(図2)ルートDNSは世界に13システム

; <<>> DiG 9.8.2rc1-RedHat-9.8.2-0.68.rc1.el6_10.3 <<>> . NS
;; global options: +cmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NOERROR, id: 50582
;; flags: qr rd ra; QUERY: 1, ANSWER: 13, AUTHORITY: 0, ADDITIONAL: 0

;; QUESTION SECTION:
;.                              IN      NS

;; ANSWER SECTION:
.                       10297   IN      NS      m.root-servers.net.
.                       10297   IN      NS      b.root-servers.net.
.                       10297   IN      NS      c.root-servers.net.
.                       10297   IN      NS      d.root-servers.net.
.                       10297   IN      NS      e.root-servers.net.
.                       10297   IN      NS      f.root-servers.net.
.                       10297   IN      NS      g.root-servers.net.
.                       10297   IN      NS      h.root-servers.net.
.                       10297   IN      NS      a.root-servers.net.
.                       10297   IN      NS      i.root-servers.net.
.                       10297   IN      NS      j.root-servers.net.
.                       10297   IN      NS      k.root-servers.net.
.                       10297   IN      NS      l.root-servers.net.

;; Query time: 0 msec
;; SERVER: 133.242.0.3#53(133.242.0.3)
;; WHEN: Sun Apr 26 12:31:50 2020
;; MSG SIZE  rcvd: 228

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(2-1-2) レジストラとは?
「レジストラ」とは主に以下の役割を持った業者の事です(ICANNにより認定)。

①ドメインを登録する
ユーザーからの要望によりドメイン名を「レジストラ」や「RIR」(Regional Internet Registry=IPアドレスを管理・割り当てしている)に登録

②ドメインを販売する

GMOやKey-Systems社やeNom社などがこのレイヤーを担当しています。昔は各自が手作業で登録していたものを仲介業者が現れた事でドメイン取得のハードルが低くなりました。

(表)レジストリとレジストラ
※(注)例であり全量ではありません

レジストリ ・Educause (.edu :アメリカ)
・Verisign (.com/.net :アメリカ)
・GSA (.gov :アメリカ)
・IANA (.int :アメリカ)
・Public Interest Registry (.org :アメリカ)
・JPRS (.jp :日本)
 
レジストラ

(※「.jp」の場合「指定事業者」と呼ぶ)

・eNom
・Key-Systems
・JPRS (.jp以外)
・GMO(お名前.com
・さくらインターネット (.jpのみ)
エックスドメイン
・Netowl
・Z.com
リセラ
(登録代理店)
バリュードメイン [GMO/eNom/Key-Systems]
ムームードメイン [eNom/お名前.com]
・さくらインターネット(.jp以外) [JPRS]
スタードメイン [Netowl/eNom/Key-Systems]
・ドメインキング [お名前.comほか?]
※ブラケット[ ]内は契約レジストラ

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