(1) 企業買収の「のれん」とは?
(1-1) 「のれん」とは?
(1-2) 「のれん」の財務諸表での取り扱い
(1-2-1) 「のれん」の原価償却の可否について
(1-2-2) 「のれん」の原価償却の日本ルール
(1-2-3) 「のれん」の原価償却のIFRSルール
(1) 企業買収の「のれん」とは?
(1-1) 「のれん」とは?
(図111)
従って、買収をする際にはその「資産以外の価値」に対する対価を、純資産の金額に「のれん」として上乗せして購入するのが一般的です。
(1-2) 「のれん」の財務諸表での取り扱い
(1-2-1) 「のれん」の原価償却の可否について
IFRSでは、のれんは「償却不可」としていますが、日本基準では「償却可」となっています。
減価償却というのは、長期間に及び使用する資産の取得に要した支出(キャッシュ)を費用計上する際に、その資産を使用する年数(法により定められている)で案分して費用計上する処理の事です。
今回の「のれん」に関しても企業を「資産」と見立てて、それを「消費」すると考えた時に、減価償却するかどうか?という発想が生まれます。
(1-2-2) 「のれん」の原価償却の日本ルール
貸借対照表上は「無形固定資産」の区分で扱われます。
つまり、のれんの金額を20等分して毎年「損益計算書」にて「費用」として計上していく事になります。
のれん自体、明確に「資産価値がある」と断定しにくいものなので、不必要に資産として計上され続ける事を防ぐため、20年という制限を設けています。
(1-2-3) 「のれん」の原価償却のIFRSルール
IFRS基準では、のれんは貸借対照表にて償却されずに資産として残ります。これはIFRSの考え方では「のれん」が収益の獲得に貢献していない可能性もあるため、費用には計上させないルールになっています。