<目次>
(1) 自己資本比率とは?計算方法や意味や安全性との関連について
(1-1) 自己資本比率とは?
(1-2) 自己資本比率は高い方が良い??
(1-3) 自己資本比率の目安
(1) 自己資本比率とは?計算方法や意味や安全性との関連について
当記事では「自己資本比率」の計算方法や意味、安全性との関連についてご紹介します。
(1-1) 自己資本比率とは?
自己資本比率(Equity ratio)とは「総資本」に対する「自己資本」の比率の事で「企業の安全性」や「株主から見たレバレッジ」などいくつかの意味合いを持っています。
具体的な算出方法は貸借対照表の右側の「負債+純資産」に対する「純資産」の割合を取ります。
(計算式)
「自己資本比率」
= 「自己資本」 ÷ 「総資本」
= 「純資産」 ÷ 「負債+純資産」
(図111)
これは即ち「総資本」に占める「負債」の割合、つまり資本金のうち返済義務のある金額の割合を示しています。
「安全性」の観点では自己資本比率は高い方が、企業の返済能力が高く安全とみなされます(返済義務のあるお金が少ない分、心配が少ないため)。
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(1-2) 自己資本比率は高い方が良い??
しかし、この自己資本比率は必ずしも高ければ良い、という訳ではありません。
当然ながら「安全性」の観点では自己資本は多い方が望ましいです。「負債」を負って資金調達を行う事で、例えば景気や為替の変動によって業績が悪化した場合に、最悪のケースは銀行から融資を受けられなくなり、経営破綻に追い込まれるリスクがあるためです。
しかし一方で、株主目線の「ROE」の観点で言うと自己資本は少ない方が望ましいので、一概にどちらが良いとは言えないものになります。
例えば株主から見ると、自己資本比率は少ない方が魅力的です。理由は少ない投資(資本金の出資=純資産を増やす)で大きなリターンを得たい、つまりレバレッジ(総資産/純資産)が大きい方が良い(コスパが良い)ためです。
(参考)
レバレッジとは?ROEやROAの意味から解説
https://rainbow-engine.com/roa-roe-analysis/
そして近年では株主重視の考え方のもと、企業側が敢えてROEを高くする動きを取る例もあります。例えば、自社の株式を自ら購入する「自己株式取得」なども「ROE」を高くする手法として用いられるようになりました。自社の株を自ら購入した分は、純資産から控除して計上できるため、ROEを高くする効果があるためです。
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(1-3) 自己資本比率の目安
一般的に自己資本比率が「50%以下」の場合はレバレッジが効いていると判断されます。
「自己資本比率」=「純資産」÷「負債+純資産」が50%以下
⇒レバレッジが効いている(株主目線でコスパが良い)
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